抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
北海道中央部に位置する大雪山の御鉢平カルデラから噴出した火砕流堆積物は,岩石学的に異なったタイプのHb-type火砕流とPx-type火砕流2種類に分けられる。Hb-type火砕流堆積物の上にPx-type火砕流が重なり,その間に,Hb-type火砕流堆積物起源の溶結凝灰岩が挟まれている。しかし,この両者の噴出時間間隔を推定できるような地質学的情報や絶対年代値は得られていない。そこでこの2種類の火砕流堆積物の噴出時期の時間間隔を評価するために,13箇所の露頭から138個の試料を採取し,古地磁気方位を測定し解析を行った。その結果,両者の古磁気方位は有意に異なっていることが確認された。Hb-typeの試料は正帯磁で僅かに西方に偏角している(全体平均でN=7,D=-27°,I=66.3°,α
95=2.7°,k=511.2),一方Px-typeの試料は正帯磁で東方へ偏角している(全体平均でN=6,D=19.8°,I=67.5°,α
95=4.6°,k=213.8)。中国,ロシア,ヨーロッパ,北米及び日本で報告された過去数万年間の永年変化記録に基づくと,両者の噴出時期は最短で約100±40年の時間間隔が存在することが明らかとなった。