抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,職務著作の権利帰属と職務発明の権利帰属との整合性から,1)職務発明の特許を受ける権利(特許権)の使用者等帰属,2)職務発明に関与する複数の従業者等帰属,3)職務発明の自然人を擬制した使用者等帰属の三つの関係の調和をはかることについて述べる。「職務発明の技術的思想の創作に関与する役割分担の明確な従業者等帰属」と「職務発明の特許を受ける権利(特許権)の使用者等帰属」の関係は,権利帰属のとらえ方としては相容れない関係であり,この関係の中で,「職務発明の自然人を擬制した使用者等帰属」の実質的な法的な意味は,パンデクテン方式と信託法理とを調和させ,「職務発明の技術的思想の創作に関与する役割分担の明確な従業者等帰属」と「職務発明の特許を受ける権利(特許権)の使用者等帰属」とを連結させる中間的な権利帰属となることを詳述する。