抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「イカ墨の有効利用に関する共同研究に参加してくれませんか?」1998年に函館高専に着任した時,学科主任より依頼された。詳細が分からないまま,独立した研究者として初めて共同研究を行うことになった。当時,大量に廃棄されるイカの内臓を家畜の飼料や魚の釣り餌に有効利用する取り組みが実用化されて,成果を挙げていた。函館にはイカを加工する小さな工場がたくさんあり,そこでは内臓を取り出す「壷抜き」が行われる。函館近海で主に初夏から晩秋にかけて採れるスルメイカや,冬場が旬であるヤリイカはツツイカ目の仲間であり,円筒形の形をして,内臓がすっぽり取れることから,壷を抜くようなイメージで名付けられたようである。胴体を切って開いた状態のスルメイカを示す。頭の上に内臓があり,その中心当たりに墨袋がへばりついている。飼料化には問題ないのだが,釣り餌にイカ墨が入っていると魚が食べないので,内臓からイカ墨袋を取り除いていた。イカ墨は魚のえらに付着し,呼吸困難を起こすので食べない,というもっともらしい理由であった。本稿では,イカ墨色素粒子の精製プロセスの確立と精製イカ墨の特性,ファインケミカルへの展開などについて解説した。