抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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樹木の樹幹は主要な炭素プールであり,木材として樹幹に固定される炭素の蓄積量は,樹幹の肥大成長量だけでなく木部の構造によっても変化する。近年の気候変動がどのように木部構造に影響を与えるのかは,樹木や森林の炭素蓄積量を知る上で重要である。本研究では,木部構造の長期的な変化および地域による違いを明らかにするため,東京大学北海道演習林および愛媛大学農学部附属演習林においてミズナラの木部試料を採取し,1970年から2009年までの40年分の年輪における木部構造の変化を調べた。その結果,愛媛では早材幅と年輪幅が減少傾向にあった。愛媛では平均気温の上昇や相対湿度の低下が観測されており,これらの気候変動によって成長や光合成へのストレスが増大している可能性が考えられる。一方,富良野では顕著な傾向はみられなかった。今後は,地域間差の要因や長期変動のメカニズムについてさらに明らかにしていく必要がある。(著者抄録)