文献

J-GLOBAL ID：201602258501081495   整理番号：16A1084961

東北地方の多雪地帯における2013/2014年冬季の落葉広葉樹林,スギ林の降雪遮断特性および融雪特性

著者 (3件)： 阿部俊夫 (森林総合研 東北支所) ,  久保田多余子 (森林総合研 東北支所) ,  野口正二 (森林総合研)
資料名： 東北森林科学会誌  (Tohoku Journal of Forest Science)
巻： 21  号： 1  ページ： 6-10  発行年： 2016年03月31日 
JST資料番号： L3143A  ISSN： 1342-1336  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 東北地方の多雪地帯にある森林総合研究所山形実験林において,2013/2014年冬季に落葉広葉樹林およびスギ林の降雪遮断特性,融雪特性について調べた。冬季の積雪水量は「気象露場>広葉樹林>スギ林」の順で,降雪遮断率は広葉樹林13.4%,スギ林33.1%であった。しかし,樹冠通過降水量の比から求めた降水遮断率は,スギ林で降雪遮断率より低く,冬季の降雨や樹冠からの融雪水滴下が比較的多かったと推察された。融雪期になると積雪水量の大小は逆転し,消雪日は広葉樹林が露場より4日遅く,スギ林は広葉樹林より8日遅かった。日平均気温はスギ林の方が広葉樹林より最大で1°C近く低かった。Degree-Day法の融雪係数を試算すると,広葉樹林と露場の値は既存研究で推定された日本海側山岳域の値とほぼ同じであったが,スギ林の値はより小さく,林種により気温差以上に融雪の早さが異なることが分かった。(著者抄録)

シソーラス用語： 東北地方 ,  *広葉樹林 ,  *針葉樹林 ,  融雪 ,  *降雪 ,  降雪量 ,  *遮断現象 ,  平均気温 ,  降水量 ,  比率 ,  *スギ林 ,  積雪水量 ,  日平均気温 ,  落葉広葉樹林 ,  樹冠開空度
準シソーラス用語： 開空度

分類 (1件)： 森林植物学  (FF02020E)

引用文献 (22件)：

• 朝岡良浩・小南裕志・竹内由香里・大丸裕武・田中信行 (2007) 衛星観測に基づく積雪水量の広域推定と融雪係数の地域特性. 水文・水資源学会誌 20(6): 519-529.
• 服部重昭 (1992) 森林蒸発散の構成成分 (森林水文学. 塚本良則編, 文永堂, 東京), 78-96.
• 細田育広・村上亘 (2006) 釜淵森林理水試験地観測報告-1・2号沢試験流域- (1994年1月~2000年12月). 森林総合研究所研究報告 398: 99-118.
• 細田育広・村上亘・野口正二 (2009) 釜渕森林理水試験地観測報告-1・2・3号沢試験流域- (2001年1月~2005年12月). 森林総合研究所研究報告 410: 51-70.
• 井上聡・横山宏太郎・大野宏之・川島茂人 (2001) 地球温暖化にともなう国内の降雪量減少の河川への影響. 地球環境 6\n(2): 259-266.

タイトルに関連する用語 (8件)： 東北地方 ,  雪 ,  冬季 ,  落葉広葉樹林 ,  スギ林 ,  降雪 ,  遮断 ,  融雪