抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿はズワイガニの一次加工業と再加工業の実態を見ることで,水産物のグローバルなフードチェーンの一端を明らかにする。ズワイガニは,先進国の漁獲地で最低限の一次加工をされた後に,開発途上国において再加工されたものが日本市場に搬入される。労働集約的な再加工は,一時期は日本,さらに中国,現在では東南アジアで行われている。この様に再加工地が移っている主要因は,労賃の上昇である。天然資源であるズワイガニの一次加工の品質管理は比較的容易である。むしろ,再加工地での加工工程での品質管理が重要かつ難しく,日本人の技術者が常駐している。原料として高価なズワイガニの再加工を行う企業はいずれも自力で原料調達を出来ないのが現状で委託加工という形を取っている。また委託を行う日本企業もリスクを避けるため,委託加工先は厳選している。同じ東南アジアにおいて,自国産のエビを自力で調達し,品質管理も行う企業が増えて来ているのとの相違はここにある。(著者抄録)