抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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静岡県焼津平野は,ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界となっている駿河トラフの陸域延長部に位置する。当該平野は,西暦1498年の明応地震(M8.4)や1854年の安政東海地震(M8.4)に伴う津波の被害を受けている;しかしながら,当該地域の津波堆積物を調査した研究はなされていない。本研究では,焼津平野の海岸低地の9個所(標高1.8-4.5m)で採取した堆積物コア(長さ8-9m,直径7cm)の観察を行い,後期完新世の津波によると思われる堆積物の分布を調査した。平野の北部地域では,コアの堆積物は礫質の流路充填堆積物の薄層を伴う後背湿地の粘土質堆積物が主体であった。焼津市の市街地では,コアの堆積物は後背湿地の粘土質堆積物を伴う礫質の流路充填堆積物が主体であった。1210から1187BCの間に降下したカワゴ平軽石が,2個所の後背湿地の粘土質堆積物の中に認められた。過去3,200年に渡る全てのコアで,津波によると思われる堆積物は確認されなかった。