亜鉛/カドミウム相反的競争の動態解析はイネにおける根からシュートへのカドミウム移動のための可能なZn非感受性経路を示唆する

FONTANILI Laura; LANCILLI Clarissa; LANCILLI Clarissa; SUZUI Nobuo; DENDENA Bianca; YIN Yong-Gen; FERRI Alessandro; ISHII Satomi; KAWACHI Naoki; LUCCHINI Giorgio; FUJIMAKI Shu; SACCHI Gian Attilio; NOCITO Fabio Francesco

文献

J-GLOBAL ID：201602274327511520 整理番号：16A0437572

亜鉛/カドミウム相反的競争の動態解析はイネにおける根からシュートへのカドミウム移動のための可能なZn非感受性経路を示唆する

Kinetic Analysis of Zinc/Cadmium Reciprocal Competitions Suggests a Possible Zn-Insensitive Pathway for Root-to-Shoot Cadmium Translocation in Rice

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資料名：
巻： 9 号： 1 ページ： 9:16 (WEB ONLY) 発行年： 2016年12月
JST資料番号： U7002A ISSN： 1939-8425 資料種別：逐次刊行物 (A)
記事区分：原著論文発行国：イギリス (GBR) 言語：英語 (EN)

背景。穀類の間で,イネは穀粒で高レベルのカドミウム(Cd)を蓄積する遺伝学的傾向がある。根吸収よりもむしろ木部媒介の根からシュートへの移動は主要な生理学的因子として示唆され,シュートおよび穀粒でのCd蓄積において観察される遺伝子型変異の原因である。いくつかの証拠から,イネにおけるCd-およびZn-木部ローディングの媒介に関与する主要な候補蛋白質として,推定亜鉛(Zn)トランスポーターのOsHMA2が示された。しかし,他の主要な農作物で観察されるそれらと比較して,イネのZnとCdとの間の特異的相互作用はしばしば変則的に見えることから,根からシュートへのCd移動過程は,以前考えられていたものより複雑である可能性が示唆された。本研究で,根からシュートへの移動レベルでのそれらの可能な相互作用および相反的効果を分析するために,ZnおよびCdの競争実験を実施した。結果。競争分析から,Zn蓄積に及ぼすCdの影響を考察するとき,完全な相反性の欠如,並びにその逆も同じことが明らかとなった。シュートにおけるZnの蓄積はCdの増加によって次第に阻害されるが,CdのそれはZnによって部分的にのみ損なわれた。そのような挙動は,以下に示唆されるように恐らくCd-木部ローディング機構に依存した。すなわち,i)根の移動性画分での2つの金属の濃度に関して実施される木部樹液におけるZnおよびCd含有量の分析,ii)陽電子放出トレーサー画像システム(PETIS)を用いた短期間の実験における¹⁰⁷Cdの全体的移動の分析である。結語。本稿の結果から,イネにおいて少なくとも2つの経路が根からシュートへのCd移動を媒介することが示された。前者はZn²⁺/Cd²⁺木部ローダとしてOsHMA2に関与する可能性があり,一方後者はまだ同定の必要があるが,Zn非感受性システムに関与するように思われた。(翻訳著者抄録)

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稲作 , 植物生理学一般

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