抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Dechlorane Plus(DP)は,1960年代にMirexの代替え物質として開発された塩素系難燃剤で,2006年に環境中から検出されて以降,世界中で調査が実施されている。しかし,2011年時点で我が国には調査事例はなかったため,我々は日本のDP汚染調査を開始した。その結果,底質,土壌,屋外沈着物,屋内ダスト,植物葉から,それぞれ0.24~230,1.7,74~270,2.9~42,0.082~1.2ng/g-dry,野菜から5.5~8.0pg/g-wetのDPが検出され,日本の様々な環境媒体がDPに汚染されていることが明らかとなった。また,調査した底質のDP濃度は他地域より高く,その他の試料は他国と同じレベルであった。そして,屋外沈着物のDP濃度が屋内ダストより高いことから,DP給源は主に屋外にあると予想された。さらに,ほとんどの試料で低濃度ではあるがMirexも検出された。Mirexは日本で農薬として使用されたことがないため,これらは難燃剤として使用されたものかもしれない。DPのanti体比率(f
anti)は,屋外試料より屋内ダストや植物葉,野菜でやや低く,ばらつきが大きかった。(著者抄録)