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J-GLOBAL ID:201602276558034768   整理番号:16A0620963

200GPaまでのSiO2-Al2O3ガラスの超高圧音響波速度

Ultrahigh-pressure acoustic wave velocities of SiO2-Al2O3 glasses up to 200 GPa
著者 (7件):
資料名:
巻:号: June  ページ: 3:18 (WEB ONLY)  発行年: 2016年06月 
JST資料番号: U0650A  ISSN: 2197-4284  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: ドイツ (DEU)  言語: 英語 (EN)
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マントル基底に存在するかもしれない高密度ケイ酸塩溶融物の性質を明らかにするために,天然ケイ酸塩溶融物の実験用類似体としてのケイ酸塩ガラスの構造と密度に関する広範な実験的研究を試みた。従来の超高圧実験は,しかしながらSiO2またはMgSiO3などの単純な系上で実行されたものであり,また,より複雑な系での実験は60GPa以下の比較的低圧条件下で行われてきた。超高圧下での高密度ケイ酸塩ガラスに起こる構造変化に関する他の金属陽イオンの効果は,ほとんど理解されていない。ここでは,アルミノ珪酸塩溶融物の類似体としてのガラスにおける圧力誘導構造変化に関するAl2O3の影響を理解するために,SiO2-Al2O3ガラスのその場の高圧弾性波速度測定を行うための196.9GPaまでのブリリアン散乱分光法を使用した。10GPaから40GPaまでにおいて,Al2O3の豊富なガラス(SiO2+20.5モル%のAl2O3)の側方弾性波速度(VS)は,Al2O3の乏しいガラス(SiO2+3.9モル%のAl2O3)のそれよりも大きかった。この結果は,大きな酸素配位数(5および6)を持つAlイオンの高い割合でのSiO2-Al2O3ガラスが,Al2O3の含有量に応じて40GPaまで弾性的に硬質となり,ただしその後,40GPa以上では軟質となることを示唆している。40GPaから100GPaまでの圧力では,圧力増加に伴うVSの増加は,40GPa以下でよりも緩やかとなった。約100GPa超では,Al2O3の乏しいガラスでは130GPaにおいて,また,Al2O3の豊富なガラスでは116GPaにおいてP-VS勾配(dVS/dP)の急激な増加があった。これらの変化は,SiO2ガラス及びMgSiO3ガラスにおける従来の実験結果と類似している。dVS/dPの変化が一般的にガラス中のSi-O配位状態に関連していることを前提にすると,筆者らの結果は,116GPa以上でのSiO2-Al2O3ガラスにおける劇的な構造転換を示す可能性があり,おそらく6よりも高いSi-Oの平均配位数変化に関連付けられよう。SiO2及びMgSiO3ガラスに関する従来の音響波速度データと比較するとAl2O3は,dVS/dPの急激な増加が観察される圧力の低下を促進するように見える。このことは,ケイ酸塩溶融物中のAl2O3が,下部マントル中でそれらの溶融物を重力的に安定化するのに役立っている可能性を示唆している。(翻訳著者抄録)
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