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J-GLOBAL ID：201602288467547365   整理番号：16A1171536

昆虫の科学-7 植物は毒針で昆虫を撃退する?シュウ酸カルシウム針状結晶とシステインプロテアーゼの劇的な相乗的殺虫効果

著者 (1件)： 今野浩太郎 (農業・食品産業技術総合研究機構)
資料名： 化学と生物
巻： 54  号： 11  ページ： 847-852  発行年： 2016年10月20日 
JST資料番号： G0527A  ISSN： 0453-073X  CODEN： KASEAA  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 植物に含まれるシュウ酸カルシウムの針状結晶について,近年,昆虫に対する防御作用があることがわかってきた。シュウ酸カルシウム針状結晶は,非常に多くの植物に含まれ,その種類により多少の形状の差があるが針状の結晶である。異形細胞において結晶形成,蓄積がされるがその形成過程は不明である。ナメクジやガゼル等,動物はシュウ酸カルシウム結晶を含む植物を食べず,含まれない部分のみ食べる事や,この結晶を塗布すると炎症を生じることなどから,シュウ酸カルシウム針状結晶の耐虫性や草食動物防御への関連が考えられた。シュウ酸カルシウム針状結晶の耐虫性に関し,その生理活性と量が相関しないことから,針状の形状の重要性について検討した。殺虫作用のあるシステインプロテアーゼと本結晶の単独および併用効果を調べた結果,当量で併用すると殺虫活性が相乗的に示されることがわかった。さらに,この時針状の形状が必須であった。

シソーラス用語： *カルボン酸塩 ,  針状晶 ,  結晶構造 ,  システインプロテイナーゼ ,  相乗作用 ,  殺虫作用 ,  植物 ,  *成分 ,  耐虫性 ,  *植物成分 ,  脂肪族カルボン酸 ,  ジカルボン酸

分類 (1件)： 植物の生化学  (EH01050J)

物質索引 (1件)： シュウ酸カルシウム

引用文献 (33件)：

• 1) L. M. Schoonhoven, J. J. A. van Loon & M. Dicke: “Insect-plant biology,” Second edition, Oxford University Press, Oxford, UK., 2005.
• 2) J. B. Harborne: “Introduction to ecological biochemistry,” Fourth edition, Academic Press, 1993.
• 3) K. Konno, C. Hirayama, M. Nakamura, K. Tateishi, Y. Tamura, M. Hattori & K. Kohno: <i>Plant J.</i>, <b>37</b>, 370 (2004).
• 4) K. Konno, H. Ono, M. Nakamura, K. Tateishi, C. Hirayama, Y. Tamura, M. Hattori, A. Koyama & K. Kohno: <i>Proc. Natl. Acad. Sci. USA</i>, <b>103</b>, 1337 (2006).
• 5) N. Wasano, K. Konno, M. Nakamura, C. Hirayama, M. Hattori & K. Tateishi: <i>Phytochemistry</i>, <b>70</b>, 880 (2009).

タイトルに関連する用語 (7件)： 昆虫 ,  科学 ,  植物 ,  シュウ酸カルシウム ,  針状結晶 ,  システインプロテアーゼ ,  殺虫効果