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J-GLOBAL ID：201702212779429767   整理番号：17A1742610

雷放電によって引き起こされる光核反応

Photonuclear reactions triggered by lightning discharge

著者 (13件)： ENOTO Teruaki (Kyoto Univ., Kyoto, JPN) ,  WADA Yuuki (Univ. Tokyo, Tokyo, JPN) ,  FURUTA Yoshihiro (Univ. Tokyo, Tokyo, JPN) ,  NAKAZAWA Kazuhiro (Univ. Tokyo, Tokyo, JPN) ,  OKUDA Kazufumi (Univ. Tokyo, Tokyo, JPN) ,  WADA Yuuki (RIKEN, Saitama, JPN) ,  NAKANO Toshio (RIKEN, Saitama, JPN) ,  YUASA Takayuki ,  MAKISHIMA Kazuo (RIKEN, Saitama, JPN) ,  SATO Mitsuteru (Hokkaido Univ., Sapporo, JPN) ,  SATO Yousuke (Nagoya Univ., Aichi, JPN) ,  UMEMOTO Daigo (RIKEN, Hyogo, JPN) ,  TSUCHIYA Harufumi (Japan Atomic Energy Agency, Ibaraki, JPN)
資料名： Nature (London)  (Nature (London))
巻： 551  号： 7681  ページ： 481-484  発行年： 2017年11月23日 
JST資料番号： D0193B  ISSN： 0028-0836  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 短報  発行国： イギリス (GBR)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： 雷や雷雲は,天然の粒子加速器である。雷雲内の電場によって,相対論的逃走電子のなだれ増幅が生じ,これが制動放射γ線を放出する。こうしたγ線は,地上観測や航空機によって検出されており,地球γ線フラッシュとして人工衛星によっても検出されている。これらのγ線はエネルギーが十分高いため,大気中で光核反応を引き起こす可能性がある。こうした反応では中性子が生成される他,特に¹⁴N+γ→¹³N+n(γはγ線光子,nは中性子を表す)によって生成される不安定な放射性同位体¹³Nのβ⁺崩壊を経て,最終的には陽電子が生成される。しかし,こうした反応で生じたと考えられる中性子や陽電子の観測的証拠が増えているものの,これまで光核反応の決定的な観測例はなかった。今回我々は,中性子と陽電子の明瞭な信号を雷の後に地上で観測したことを報告する。2017年2月6日に日本で発生した雷雨時に,雷から0.5~1.7km離れた観測地点で,継続時間1ミリ秒未満のγ線フラッシュが検出された。続いて生じたγ線残光は40~60ミリ秒の時定数で指数関数的に暗くなり,その後,約0.511MeVの輝線放射が1分間続いた。γ線残光に観測された減衰時間スケールと約10MeVで急激に折れ曲がるスペクトルは,中性子捕獲により励起された原子核からの脱励起γ線によってうまく説明される。この1分間続いた輝線放射の中心エネルギーは電子-陽電子対消滅に相当し,雷の後に陽電子が生成された決定的証拠となる。Copyright Nature Japan KK 2018

シソーラス用語： *雷放電 ,  *光核反応 ,  制動放射 ,  γ線 ,  窒素同位体 ,  陽電子 ,  中性子 ,  脱励起 ,  γ線スペクトル ,  大気
準シソーラス用語： 窒素13

分類 (1件)： 光子による反応・散乱  (BG04020R)

タイトルに関連する用語 (2件)： 雷放電 ,  光核反応