抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「アカメ」はアカメガシワクダアザミウマを有効成分とする天敵製剤で,野菜類のアザミウマ類防除剤として2015年6月に農薬登録された。アカメガシワクダアザミウマ(以下,本種)は日本(本州)原産で,北海道~九州と韓国に分布する。本種の食性はアザミウマ類以外に幅広いが,現時点で防除資材として有効と考えられるのはアザミウマ類のみである。本種はイチゴやナスの花粉のみで正常に生育することから,開花していればアザミウマ類の発生前からの放飼が可能である。また,本種雌成虫によるアザミウマ類1齢幼虫の捕食量はスワルスキーカブリダニの約10倍である。本種の生活史,温度・日長依存性,イチゴ上での生息場所・分布,移動分散性,イチゴにおけるアザミウマ類防除効果,防虫ネットとの併用について解説する。現地試験の結果から得られた本種の放飼時期,放飼量,放飼回数について解説する。本種幼虫はイチゴの葉や幼果に多く分布するため,摘花(果)により本種が持ち出される場合があり,栽培管理を含めた利用技術を検討中である。本種の大量増殖系を検討し,マニュアル化した。また,本種の性質を利用した紙束製剤を開発した。