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J-GLOBAL ID：201702219941613109   整理番号：17A1231538

サイクロン常襲地域における被災後の復興課題に関する研究 -バングラデシュにおける定性調査をもとにした事例研究-

著者 (1件)： 日下部尚徳 (大妻女子大学文学部コミュニケーション文化学科)
資料名： 人間生活文化研究(Web)  (International Journal of Human Culture Studies (Web))
巻： 2016  号： 26  ページ： 583-594(J-STAGE)  発行年： 2016年 
JST資料番号： U0529A  ISSN： 2187-1930  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： バングラデシュは歴史的にみても大型の熱帯低気圧(サイクロン)によって多くの人的・物的被害が発生している災害頻度の高い地域である.そのため,これまで海外からの支援によって避難所建設や気象予報システムの構築,防潮林の整備などの防災政策がとられてきた.これらの対策によって,サイクロンによる死者数は減少傾向にあるが,一方で被災者のその後の生活再建はいまだに深刻な課題となっている.避難施設への事前の避難行動によって一命を取り留めたとしても,高潮によって家財一式を失う,世帯主が高潮に流され働き手を失う,といった人的・物的被害が発生し,生活再建の大きな障害となる.サイクロン被害による生活水準の低下は地域の災害脆弱性を高め,次の災害への対応力を低下させることから,常襲地域における被災住民の迅速な生活再建が防災上の重要な課題であることは論を俟たない.本研究は,バングラデシュのサイクロン常襲地域において,住民が被災後に抱える生活再建課題と,課題への対応態様について,定性的データを収集し,災害高リスク地域における災害復興課題を住民の視座から明らかにしようとする試みである.対象地域は,91年のサイクロンによって壊滅的被害が発生したノアカリ県ハティア郡ハティア島の東部沿岸地域である.本研究によって,91年のサイクロン被災直後には,十分な物資の支援が実施されていた実態が明らかになった.一方で,仕事道具や家屋など中長期的な復興にむけた支援はなされておらず,特に家屋の復旧のために被災者がNGOやグラミン銀行によるマイクロクレジット・プログラムや,親戚から借り入れをおこなっている事実が明らかになった.返済は長期にわたっており,災害高リスク地域の住民の生活を圧迫していると考えられる.(著者抄録)

シソーラス用語： *熱帯低気圧 ,  *災害復旧 ,  バングラデシュ人民共和国 ,  防護施設 ,  天気予報 ,  保安林 ,  死亡事故 ,  *生活水準 ,  社会問題 ,  島 ,  住宅建設 ,  サイクロン
準シソーラス用語： ハティア島

著者キーワード (10件)： バングラデシュ ,  災害 ,  サイクロン ,  復興 ,  貧困 ,  Bangladesh ,  Disaster ,  Cyclone ,  Reconstruction ,  Poverty

分類 (1件)： 自然災害  (RA02030M)

引用文献 (10件)：

• 1.International Strategy for Disaster Reduction (ISDR). Global Assessment Report on Disaster Risk Reduction: Revealing Risk, Redefining, Development. International Strategy for Disaster Reduction. 2011.
• 2.日下部尚徳. サイクロン高リスク地域への移住に関する研究-バングラデシュ・ハティア島を事例とした一考察. 大妻女子大学紀要. 2015, 文系47, 180-166.
• 3.内閣府. 平成22年版 防災白書. 2010. 内閣府.
• 4.Mosharraf Hossan (ed.). World Atlas. Graphosman, 1996.
• 5.Mallick et al. Floods in Bangladesh: A Shift from Disaster Management Towards Disaster Preparedness. IDS Bulletin. 2005, Vol.36, No.4, 53-70.

タイトルに関連する用語 (8件)： サイクロン ,  地域 ,  被災 ,  復興 ,  研究 ,  バングラデシュ ,  定性調査 ,  もと