抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
システムズエンジニアリングには,半世紀以上もの歴史がある。世界初のシステムズエンジニアリングの標準は,1969年に制定されたアメリカの防衛規格であるMIL規格(MIL-STD-499)で,同時期に進められた人類初の月への有人飛行計画である「アポロ計画」に適用された。システム開発のライフサイクル全体を複数の段階に分け,各段階で審査を行って進めていく「段階的プロジェクト計画方式」などはアポロ計画によって確立され,いまでもアメリカや日本の宇宙分野などではほぼ同様の方式が適用されている。このシステムズエンジニアリングは,当初,宇宙分野や防衛分野で生み出され,発展し,ロケットや人工衛星,戦闘機などを対象に品質・コスト・納期(QCD)を厳密に管理することを重視していた。1990年代に入り,INCOSE(システムズエンジニアリング協議会)が設立され,現時点で全世界での会員数が1万人を超え,航空や鉄道,自動車,電機,電力,都市開発などの様々な分野での取り組みがなされている。INCOSEによると,「システムとは,定義された目的を成し遂げるための相互に作用する要素を組み合わせたものであり,これにはハードウェア,ソフトウェア,ファームウェア,人,情報,技術,設備,サービスおよび他の支援要素を含む」と定義されている。システムの実現にあたっては,システム要求に合致したシステムが設計され,具現化されているかを常に評価する必要がある。その際には,検証と妥当性確認の二つの観点の違いと関係を理解して行うことが重要である。