抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
ハダニの同定は光学顕微鏡観察による同定やDNA分析によって行われているが,前者は熟練を要し,後者は分析に時間を要するほか,相応の設備と技術を要するためコストがかかる。微生物の迅速な同定法として質量分析法を利用した同定法が開発され,植物病原菌にも応用されつつある。ハダニの同定に質量分析法を利用できれば上記の問題点は解決できる。本稿では,同定に用いるマトリックス支援飛行時間型質量分析法(MALDI-TOF MS,データの解釈法からMALDI biotypingとも呼ばれる)の原理,質量スペクトル測定の操作手順及び得られた質量スペクトルデータの解釈について解説する。質量分析法により1頭のハダニ或いは1個の卵からでも質量スペクトルデータを得ることができる。測定例を示す。種により異なる結果が得られており,ハダニの各ステージのスペクトルデータを蓄積することで種の同定ができると考えられる。また,質量分析法による同定はハダニ以外の微小害虫にも利用可能と思われる。