抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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多数の部品を一定の管理技術のもとで製作した場合,実際に加工された部品の寸法は,目標とする寸法に対してばらつきを示す。実際の部品寸法は製図上で示した基準寸法(呼び寸法)とは異なり製作(加工)誤差を生じる。本報では四円弧軸受を対象に,その下部にあるすべり面の位置が製作誤差により軸受外側および内側方向に変化した際の軸受の力学的静特性を解析し,以下の結論を得た。1)同一偏心率値で比較した場合,すべり面が基準位置より軸受外側に移動すると,軸受の負荷容量は小さくなる。一方,すべり面が基準位置より軸受内側に移動すると,軸受の負荷容量は大きくなる。これらの傾向は予圧が大きいほど顕著である。2)すべり面が基準位置より軸受外側に移動すると,軸心軌跡はすべり面が基準位置にある場合のそれより左下側に移動する。一方,すべり面が基準位置より軸受内側に移動すると,軸心軌跡はすべり面が基準位置にある場合のそれより右上側に移動する。これらの傾向は,予圧が大きいほど顕著である。3)同一ゾンマーフェルト数値で比較した場合,すべり面が基準位置より軸受外側に移動すると,最小油膜厚さ値はすべり面が基準位置にある場合のそれより小さくなる。すべり面が基準位置より軸受内側に移動すると,最小油膜厚さ値はすべり面が基準位置にある場合のそれより小さくなることがある。4)結論1)および3)より,四円弧軸受の設計において,軸受の下部にあるすべり面が製作誤差により基準位置より軸受外側にある際には注意が必要であると考える。