抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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災害遺構をいかに保存し,災害の記憶をどうつないでいくかについて考えた。災害遺構の最大の特色は,モノが周辺区間も含めて空間化する「場」として機能することである。モノとして保存するだけでなく,毎年の追悼行事をもって空間を「場」として機能させ,記憶を繋いでいくことが重要である。災害遺構の「モノ」と「意味」については,1)モノとしての災害遺構に意味を付与して共有化し,災害遺構にまつわる語りやエピソード等の意味を共有するプロセスが必要となる。2)長期的な視点で災害遺構が有する意味を関係者間で協議すること自体に価値がある。3)人々の日常や生活に訴えかけるようなモノは,意図的でなくとも災害の記憶を継承する有力な媒体になり得る可能性を秘めている。災害遺構の維持管理を巡る論点を3つの事例で示した。1)災害当時の様子から現在までの時系列による変化を記録した写真や映像も合わせて展示することで,より鮮明に災害当時の様子や記憶を伝えることができ,2)地域活性化を見据えた保存・管理の方法を検討し,3)関係者間で合意形成を重ね,保存方法や維持管理を見据えた協議を重ねていく必要がある。災害遺構の活用による記憶継承には,1)災害遺構が生み出すアーカイブの活用,2)語りや供養などの行為とその継承が重要な役割を担う。