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J-GLOBAL ID：201702226853372494   整理番号：17A0718872

2016年8~9月の北海道における豪雨災害に関する報告 1 気象の概要について

著者 (2件)： 松岡直基 (日本気象協) ,  松岡直基 (北海道気象技術センター)
資料名： 寒地土木技術研究  (Monthly Report. Civil Engineering Research Institute for Cold Region)
号： 769  ページ： 42-47  発行年： 2017年06月10日 
JST資料番号： G0057A  ISSN： 2432-2652  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 2016年8~9月に北海道に豪雨災害を生じさせた気象概要を紹介する。これまで北海道に台風が上陸するのは3年で1回程度であったが,2016年8月には半月で4個の台風が接近・上陸した。連続的豪雨によって各地で土砂災害が発生し,特に4個目の台風10号は日高山脈を中心に地形的降雨が卓越しこれまでにない災害パターンを発生させた。すなわち台風10号は,北海道に低気圧や前線がなく長時間にわたり東よりの湿潤な暖気を送り込む気圧配置となった。またこの8月は,日本周辺が気圧の谷となって台風が本州の東側海上を北上した。このような気圧配置が現れたのは,エルニーニョ現象からラニーニャへの移行の影響と推察される。北海道では台風10号による東よりの湿った温かい風が3日間吹き続け,日高山脈や大雪山系の南東斜面で「地形的降雨」を発達させ,山岳部で記録的な大雨となった。日高山脈では,8月30日夕方に地形的降雨で時間雨量が300mmに達し,その後台風の影響が加わり500mmを超える大雨となった。

シソーラス用語： *北海道 ,  土砂災害 ,  *豪雨 ,  *気象 ,  *台風 ,  特性 ,  地形学 ,  *降雨 ,  山岳 ,  配置 ,  気圧
準シソーラス用語： 豪雨災害 ,  *地形的特徴 ,  日高山脈 ,  *気圧配置

分類 (7件)： 中小規模擾乱,降水特性  (DC05120X) ,  大規模擾乱,台風,大気重力波  (DC05070R) ,  気象学一般  (DC05010D) ,  自然地理学  (DF01000Z) ,  一般,砂防工学  (RC12010B) ,  斜面安定,掘削変形  (RA03070L) ,  自然災害  (RA02030M)

引用文献 (4件)：

• 北野慈和,山本太郎,小林彩佳,山田朋人: 2016年8月豪雨事例を含む過去56年間に北海道周辺を通過・上陸した台風の統計的解析,土木学会論文集B1(水工学),Vol.73,No.4,I_1231-I_1236,2017.
• Dzung Nguyen-Le and Tomohito J. Yamada: Simulation of tropical cyclone 201610 (Lionrock) and its remote effect on heavy rainfall in Hokkaido, Journal of Japan of Civil Engineers, Ser. B1 (Hydraulic Engineering), Vol. 73, No. 4, I_199-I_204, 2017.
• 小山内信智他:平成28年台風10号豪雨により北海道十勝地方で発生した土砂流出,砂防学会誌,Vol.69,No.6,P80-91,2017.
• 土木学会北海道支部:2016年8月北海道豪雨災害調査団速報版第1報,2016年9月12日ver., 2016.

タイトルに関連する用語 (5件)： 北海道 ,  豪雨災害 ,  報告 ,  気象 ,  概要