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J-GLOBAL ID：201702232532635523   整理番号：17A0507272

炭化物の¹⁴C年代測定のための前処理過程の化学的解明-和歌山県根来寺坊院跡から出土した炭化米の分析-

著者 (4件)： 冨山慎二 (名古屋大 大学院環境学研究科) ,  南雅代 (名古屋大 宇宙地球環境研) ,  中村俊夫 (名古屋大 宇宙地球環境研) ,  金原正明 (奈良教大)
資料名： 考古学と自然科学  (Archaeology and Natural Science)
号： 72  ページ： 45-61  発行年： 2017年02月13日 
JST資料番号： L5486A  ISSN： 0288-5964  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 和歌山県根来寺坊院跡から出土した炭化年代が明らかな炭化米試料を用いて,炭化物の¹⁴年代測定のための化学前処理によってどのような成分が除去され,残存するかを,赤外吸収スペクトルを用いて検討した。天正13年(AD1585)の焼き討ちによって焼失した同寺跡から出土した炭化米と現生の米を加熱した炭化米も用いて検討した。各試料を4分画し,その内1分画を未処理,残り3分画を酸処理のみ(A処理),酸-アルカリ-酸処理(ABA処理)および酸-アルカリ-二クロム酸カリウム処理(ABO_x処理)を行った。各試料のFTIRスペクトル,元素分析および¹⁴C年代測定を行った。その結果,ABA処理およびABO_x処理後には,化学的に安定な多環芳香族化合物が残存して,¹⁴C年代測定の信頼性が向上する事が分かった。

シソーラス用語： 炭化物 ,  *米 ,  *炭化 ,  炭素14 ,  *絶対年代 ,  *放射性炭素法年代測定 ,  *試料調製 ,  *前処理 ,  酸処理 ,  アルカリ処理 ,  処理 ,  塩酸 ,  水酸化ナトリウム ,  カリウム化合物 ,  二クロム酸塩 ,  *測定精度 ,  FTIR分光法 ,  芳香族縮合化合物
準シソーラス用語： *化学的前処理 ,  酸化処理 ,  重クロム酸カリウム ,  *炭化米 ,  *炭素14年代

分類 (4件)： 炭素とその化合物  (YB02060D) ,  穀類とその製品一般  (FJ04010T) ,  核化学・放射化学一般  (CB10010V) ,  有機化合物の赤外スペクトル及びRaman散乱,Ramanスペクトル  (BM08064T)

引用文献 (29件)：

• 栗山 旭 1979「木材の炭化過程に関する研究」林業試験研究報告 304 pp.7-76
• 岩出町教育委員会 2004「岩出町内遺跡発掘調査概報:平成14年度 根来寺坊院跡の調査」49p
• Almendros, G. and Dorado, J. 1999 “Molecular characteristics related to the biode-gradability of humic acid preparations” European Journal of Soil Science 50 (2) pp.227-236
• Ascough, P.L., Bird, M.I., Francis, S.M. and Lebl, T. 2011 “Alkali extraction of archaeological and geological charcoal : evidence for diagenetic degradation and formation of humic acids” Journal of Archaeological Science 38 pp.69-78
• Bird, M.I., Ayliffe, L.K., Fifield, L.K., Turney, C.S.M, Cresswell, R.G., Barrows, T.T. and David, B. 1999 “Radiocarbon dating of “old” charcoal using a wet oxidation, stepped-combustion procedure” Radiocarbon 41(2) pp.127-140

タイトルに関連する用語 (8件)： 炭化物 ,  年代測定 ,  処理過程 ,  化学 ,  和歌山 ,  跡 ,  炭化 ,  分析