抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
色素や顔料を使用せずに,光の波長サイズの微細構造によって発色する現象を構造性発色(もしくは構造色)と称される。従来,“構造色”は,“可視光の波長サイズで屈折率が周期的に変化した材料から観測される角度依存性のある鮮やかな色”と説明されている。著者らのグループは,この従来の説明を覆す2つの発見をした。1つは,構造色は角度依存性を示さない場合もあるということである。著者らは,屈折率の変化に短距離秩序があるような系が,角度依存性のない構造色を示すことを見出した。そして,もう1つは,鮮やかな構造色発現のためには,光の波長サイズの微細構造の存在に加えて,黒色物質の存在が重要であるということである。一般的には,光の波長サイズの微細構造があることが,構造発色のためには必要な条件であるが,それだけでは色鮮やかな構造色とはならないことを,多くの例を示すことで説明した。これらの研究の一環として,著者らは白い材料と黒い材料から,鮮やかな有彩色を示す色材が構築できることも示した。構造発色性材料は,安全で安価な材料からも構築可能で,非退色性になることから,新しい色材としての応用を検討している。