抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
近年,転売を目的としたイベントのチケット購入やダフ屋行為が増加しており,本人確認が今まで以上に重要となっている。チケットの本人確認の課題は,大規模イベントにおいて入場者のなりすまし防止と確認作業の効率化を両立することである。我々は,この課題の解決に向けて顔認証による本人確認システムを開発し実用化してきた。本人確認システムは,20以上の大規模コンサートで活用され,なりすまし防止に効果を発揮している。このシステムは,チケット購入時に登録された購入者の顔画像とイベント入場時の入場者の顔画像を照合し,購入者と入場者が同一であることを確認する。顔認証による本人確認システムでは,イベント係員が入場者を静止させてチェックインや顔認証を実行し,一人あたり平均7秒で本人確認を行っていた。本論文では,より効率的な本人確認を実現するために,入場者が顔認証のために立ち止まることなく歩行したまま本人確認を行うノンストップ顔認証システムを提案する。歩行中の入場者は,横を向いたり目を閉じたりするなど顔認証に不向きな状態で撮影されることが多い。提案システムは,入場者を2つの異なるカメラで撮影し2種類の画像と登録画像を照合して顔認証を行うことで,歩行中の入場者の高精度な顔認証を実現した。提案システムは,アイドルグループのコンサート入場者4226名の本人確認に活用され,顔認証精度は91%である。本人確認から入場までの時間は,顔認証に成功した場合一人あたり平均2.5秒,顔認証が成功せずに係員が目視で確認した場合も含めて一人あたり平均2.8秒である。従来の顔認証システムによる本人確認と比べて確認時間を60%削減した。(著者抄録)