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J-GLOBAL ID：201702237315514426   整理番号：17A1003085

環境中親電子物質のレドックスシグナル伝達変動および毒性発現とそれらを制御する活性イオウ分子

著者 (2件)： 熊谷嘉人 (筑波大 医学医療系 環境生物学分野) ,  安孫子ユミ (筑波大 医学医療系 環境生物学分野)
資料名： 硫酸と工業  (Sulphuric Acid and Industry)
巻： 70  号： 8  ページ： 109-116  発行年： 2017年08月15日 
JST資料番号： F0507A  ISSN： 0370-8047  CODEN： RYUSAZ  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 親電子物質は分子内に電子密度の低い部位が存在するため,生体内で産生されるあるいは外因性の親電子物質が生体内に侵入すると,電子密度の高いDNAのグアニン残基や蛋白質のシステイン残基のような求核置換基と共有結合して付加体を形成し,生体に有害な作用を生じる。著者らが得た一連の研究成果は,環境中の親電子物質の低濃度暴露はセンサー蛋白質の親電子修飾を介した細胞増殖(PTPIB/EGFRシグナル),親電子物質の解毒・排泄亢進(Keap1/Nrf2システム),細胞内蛋白質の品質管理(HSP90/HSF1シグナル)および細胞生存(PTEN/Aktシグナル)に係るレドックスシグナル伝達活性化に働くことを明らかにした。ところが,高濃度暴露時ではpKa値の高い蛋白質のシスティン残基も非特異的な化学修飾を受け,結果的な過剰な蛋白質の環境中親電子物質付加体の生成が毒性発現に寄与することが考えられる。

シソーラス用語： *求電子試薬 ,  汚染物質 ,  *環境汚染 ,  酸化還元反応 ,  硫黄 ,  活性化 ,  *環境汚染物質 ,  レドックス・シグナリング ,  活性硫黄 ,  シグナル伝達
準シソーラス用語： 細胞情報伝達

分類 (1件)： 汚染原因物質一般  (SB05010P)

引用文献 (38件)：

• J.A. Hinson, D.W. Roberts and L.P. James: Mechanisms of acetaminophen-induced liver necrosis, Handb Exp Pharmacol (2010) 369-405.
• D.H. Phillips: Fifty years of benzo (a) pyrene, Nature 303 (1983) 468-472.
• Y. Kumagai and Y. Abiko: Environmental Electrophiles: Protein Adducts, Modulation of Redox Signaling, and Interaction with Persulfides/Polysulfides, Chem Res Toxicol 30 (2017) 203-219.
• J.E. Laine, S. Auriola, M. Pasanen and R.O. Juvonen: Acetaminophen bioactivation by human cytochrome P450 enzymes and animal microsomes, Xenobiotica 39 (2009) 11-21.
• C. Madhu, Z. Gregus and C.D. Klaassen: Biliary excretion of acetaminophen-glutathione as an index of toxic activation of acetaminophen: effect of chemicals that alter acetaminophen hepatotoxicity, J Pharmacol Exp Ther 248 (1989) 1069-1077.

タイトルに関連する用語 (11件)： 環境 ,  親 ,  電子 ,  物質 ,  レドックス ,  シグナル伝達 ,  毒性 ,  発現 ,  活性 ,  イオウ ,  分子