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J-GLOBAL ID：201702241691477411   整理番号：17A1375914

イネにおけるアクアポリンの機能と環境応答

Rice aquaporins and their responses to environmental stress

著者 (9件)： 石川(櫻井)淳子 (農研機構東北農業研究センター) ,  石川(櫻井)淳子 (農研機構次世代作物開発研究センター) ,  石川(櫻井)淳子 (岩手大学大学院連合農学研究科) ,  羽田野麻理 (農研機構東北農業研究センター) ,  林秀洋 (農研機構東北農業研究センター) ,  林秀洋 (岩手大学大学院連合農学研究科) ,  松波麻耶 (農研機構東北農業研究センター) ,  松波麻耶 ((独)日本学術振興会特別研究員RPD) ,  桑形恒男 (農研機構農業環境変動研究センター)
資料名： 根の研究  (Root Research)
巻： 26  号： 3  ページ： 39-55(J-STAGE)  発行年： 2017年 
JST資料番号： L2698A  ISSN： 0919-2182  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： イネ (Oryza sativa) は幅広い土壌水分環境への適応性が高い植物であり,変動する環境条件に対して吸水や蒸散のバランスを調節する機構を備えていると考えられるが,その具体的機構には不明な点が多い.アクアポリン (水チャンネル) は主として水分子を受動的に輸送する機能を持つ膜タンパク質であり,イネには33種類の分子種が存在する.植物体全体の水透過性に大きく関わる根では多くのアクアポリン分子種が発現し,根の表皮から中心柱に至る水透過の律速部位である内皮等の組織に多く局在する.これらの分子種の中でも,根特異的に発現するOsPIP2;5等のアクアポリンは明暗日周,温度,湿度,土壌の乾燥,根域の窒素濃度等の変化に対して発現量が鋭敏に応答する.上記は主に環境制御された人工気象室内での実験結果であるが,屋外では,天気によって日々大きく変動するポテンシャル蒸発量と高い相関を示す.複数の環境変化に対する応答の共通性から,地上部の蒸散要求が何らかのしくみで根に伝わりアクアポリン発現を制御することが示唆される.これにより,根全体の水透過性が変化し,植物体全体の水透過性の適応に貢献すると考えられる.一方,種子では,根と異なり特定の分子種が多く発現し,それらが組織特異的に局在する.(著者抄録)

シソーラス用語： *イネ ,  *水チャンネル ,  環境順応 ,  根 ,  透水性 ,  分子遺伝現象 ,  *遺伝子発現 ,  生息環境 ,  *生体内分布
準シソーラス用語： 蛋白質発現 ,  *組織特異的発現

著者キーワード (10件)： アクアポリン ,  環境応答 ,  蒸散要求 ,  イネ ,  水透過性 ,  Aquaporin ,  Environmental response ,  Hydraulic conductivity ,  Rice ,  Transpirational demand

分類 (3件)： 植物の生化学  (EH01050J) ,  植物生理学一般  (EH02010Y) ,  植物に対する影響  (EE04030Z)

引用文献 (102件)：

• 1) Ahamed, A., Murai-Hatano, M., Ishikawa-Sakurai, J., Hayashi, H., Kawamura, Y., Uemura, M. 2012. Cold stress-induced acclimation in rice is mediated by root-specific aquaporins. Plant Cell Physiol. 53: 1445-1456.
• 2) Almeida-Rodriguez, A.M., Hacke, U.G., Laur, J. 2011. Influence of evaporative demand on aquaporin expression and root hydraulics of hybrid poplar. Plant Cell and Environ. 34: 1318-1331.
• 3) Aroca, R., Amodeo, G., Fernández-Illescas, S., Herman, E.M., Chaumont, F., Chrispeels, M.J. 2005. The role of aquaporins and membrane damage in chilling and hydrogen peroxide induced changes in the hydraulic conductivity of maize roots. Plant Physiol. 137: 341-353.
• 4) Aroca, R., Porcel, R., Ruiz-Lozano, J.M. 2012. Regulation of root water uptake under aboiotic stress conditions. J. Exp. Bot. 63: 43-57.
• 5) Bloom, A.J., Zwieniecki, M.A., Passioura J.B., Randall, L.B., Holbrook, N.M., ST. Clair, D.A. 2004. Water relations under root chilling in a sensitive and tolerant tomato species. Plant Cell Environ. 27: 971-979.

タイトルに関連する用語 (3件)： イネ ,  アクアポリン ,  環境応答