抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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大気中水銀の化学形態には,ガス状元素態水銀(GEM),ガス状酸化態水銀(GOM),粒子体に付着した水銀(粒子状水銀,PHg)が存在することが知られている。GEMは反応性が低く水に溶けにくいことから大気中での寿命が長く,一方,GOMとPHgは大気から除去されやすく,PHgはその粒径が乾性沈着に大きく影響する。大気中水銀の乾性沈着量を推定するためにはPHgの粒径分布を把握する必要がある。日本海に面する新潟県柏崎市の田園地域に位置する新潟工科大学の屋上において,PM
2.5サンプラーとアンダーセンサンプラーの2種類のインパクター型の粒径別捕集装置を用いて石英繊維ろ紙上に浮遊粉じん(PM)を捕集し,加熱気化-金アマルガム捕集-加熱気化冷原子吸光光度法で水銀量を測定した。その結果,全PHgに占める粗大粒子のPHgの割合と捕集時の気温には両捕集方法とも有意な正の相関性が見られ,暖候期には粗大粒子のPHgの占める割合が高く,寒候期には微小粒子のPHgの割合が高くなることがわかった。沿岸地域のPHgの乾性沈着量を推計手法によって求める場合にはその粒径分布の気温依存性を考慮する必要がある。(著者抄録)