抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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振動する錘をバネ成分によって筐体に接続する構造を持つ直動型振動子は高品位な触覚提示が可能だが,1)共振特性を持つこと,2)低周波領域で振幅が大きくなって錘が筐体と衝突することが課題である。本論文では,DCモータのロータを振動の錘とし,構造上バネを持たないために周波数特性がより平坦になる触力覚提示手法を提案した。まず,DCモータを皮膚に搭載した際のモータに加える電圧と皮膚に加わる力との関係を定式化し,2種類のDCモータを振動提示に用いた場合の時間応答性と周波数特性を計測した。その結果,従来の直動型振動子と同等であることがわかった。次に,直動型振動子に非対称の交流電圧を印加すると生じる擬似力覚がDCモータでも生じるかを調べたところ,擬似力覚を提示できた。また,より効率よく振動提示を行うには慣性トルクを大きくすればよいが,錘による質量の増加はウェアラブルな触覚提示装置の構成要素としては好ましくなく,永久磁石で構成される筐体が重いので皮膚と筐体の加速度が小さくなる課題に対して改良を行った。具体的には,DCモータのロータを固定し,筐体を錘として回転させる方法を提案し,20~180Hzまで10Hzごとのすべての周波数において通常よりも振動振幅が大きくなり,回転部分の重量増加によって逆起電力が低下することで,特に低周波領域で安定した振動提示が行えた。