抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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炭素材と鉄材とで金属鉄を溶かす鉄デバイスの構造と条件を紹介し,実際に池水の浄化を行った事例を紹介する。池沼の水質汚染で深刻なのはアオコの発生で,まだ根本的な対処法がない。水の富栄養化は窒素とリンに起因し,リンを取り除けばアオコの発生はなくなるか抑制される。そこで,水に不溶性にする方法を模索し,金属のリン酸塩・リン酸鉄にすることで解決できると考えた。炭素材と金属鉄を接触させて化学電池を形成し,金属鉄を水に溶かす鉄デバイスを開発した。具体的には,炭素繊維織物袋の中に鉄板・鉄丸棒・鉄網を挿入してデバイスを形成し,実験を行った。1)夏季に建築物の屋上庭園の人工池で水質浄化を行ったところ,池中の藻の発生を抑制できた。2)アオコが発生するゴルフ場で池の浄化を行ったところ,鉄デバイスの設置により池水の浄化が進行した。CODの低下は,炭素繊維に固着したバイオフィルムの作用や微生物による汚染物質の分解と考えられる。3)公園内の汚濁し汚泥で底が見えない閉鎖系の池で水質浄化を試みた結果,設置3カ月後から透視度が向上し,池底が見え,魚類が泳ぐように回復した。