抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地震による斜面崩壊を解析するには,地震による影響を強調した主要な因子を示すことが必要である。主要な因子は,地震動の加速度と急角度の斜面傾斜,斜面としての強度をもつ地質である。これら3つの因子の組み合わせによって典型的な崩壊が発生する。斜面崩壊の発生頻度は,崩壊面積率で確認することができる。これらのことを検証するために,2007年3月発生の能登半島地震による地震発生域を斜面崩壊の解析対象地に選定した。この地震の特徴は次の通りである。震源の深さ:11km,マグニチュード:M6.9,最大震度:6強(輪島市門前町),解析対象面積:294km
2,崩壊箇所数:132箇所,崩壊面積率:0.024%であった。地震時の加速度と崩壊斜面全部に対する崩壊面積率との関係では線形関係は得られなかったが,加速度と急傾斜崩壊面積率との関係には線形関係がみられた。崩壊面積率Saのモデルは,駆動因子T
k,つまり安全率の逆数(1/F
s)を用いた次のモデルである。駆動因子T
k=f(θ,k
h,C),ここに,θ:傾斜角,kh:水平震度係数,C:地質特性値である。崩壊面積率Saと駆動因子T
kの関係はべき乗式を使う場合,Sa=AT
kBとなり,べき係数にB=3が得られた。このとき,地質特性値Cの範囲は1-100程度であり,斜面崩壊に対し大きな影響力をもつことが示された。(著者抄録)