抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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分光分布に対し百数十の分解能をもつハイパースペクトルカメラは,土壌や森林のモニタリング,地質の分類など広い分野で多目的に活用されている。しかしカメラが高価,撮影に時間がかかるという問題から産業的利用は限定的であった。一方,計量化学分野では物質が固有の特定少数の波長の光を吸収することを利用して,物質の計量が行えるという知見がある。そこで本研究では,物質を限定すれば計量に必要な波長は離散的で少数となる性質を利用し,少数の光学フィルタを通して撮影を行うマルチスペクトルカメラを用いることで,安価かつ高速に特定物質の分布のイメージングを実現し,これを産業応用することを目的とする。本論文は,(1)市販されている光学フィルタがもつ有限幅の分光透過率を考慮して多変量校正モデルを再定義し,(2)候補となるフィルタから特定物質の計量に用いる最適なフィルタの組み合わせをAdaptive lassoにより選択する手法を提案する。こうして選択された少数の光学フィルタを用いて構成された(3)簡易なマルチスペクトルカメラにより物質量分布のイメージングが行えることを示す。実環境下での提案手法の有効性を確認するため,最適なフィルタの選択とこれを備えるマルチスペクトルカメラを作成し,その応用例として果実における糖度分布の推定精度を検証する。(著者抄録)