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J-GLOBAL ID:201702250237482380   整理番号:17A0377402

経験対象としてのデジタルコンテンツの教材価値の検討-能力形成諸ファクターの構造と作用 第I報-

The Value of Digital Contents as Experience Target: Structure and Operation of the Ability Building Factors (I)
著者 (1件):
資料名:
巻: 65  号:ページ: 1-10  発行年: 2017年02月28日 
JST資料番号: L0138A  ISSN: 0389-3472  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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本研究の目的は,能力形成を実現するために有為にはたらいている要因を可能な限り特定し,その作用のメカニズムを検討することで,現代社会における教育のあり方を定義づけ意義ある学校教育を構築しなおすことにある。この問題意識の底にあるものはさまざまな教育問題に対して積極的かつ有効な手立てを見いだし得ていない学校教育への危機感であると言えるかもしれない。本稿では学習教材を子どもの学習を成立させるための経験として位置づけ,諸経験の特徴を踏まえたうえで,経験対象としてのデジタルコンテンツの教材価値を考察する。一般に,教育効果をもたらすものとして,学校教育のみならず子どもの家庭環境や地域社会との関わりなど多様な要素が認識されている。しかし,たとえば社会認識の場面でそれらの要素が子どもの学習の成立にとってどの程度のプラス効果をもたらし或いは逆にマイナス効果をもたらすのか,という点について包括的に緻密な検証が行われているわけではない。そもそも子どもの社会認識を形成するために学校教育のみでは十分でないことは言うまでもないが,社会認識の形成において学校教育がどの程度の役割を果たすべきなのか,どの程度の役割を果たし得ているのか,どのような部分が現行の学校教育から欠落しているかということが解明されているわけではないのである。それは例えば,社会学の守備範囲だったり,心理学の対象であったり,また教育行政の問題であったり,教育外の要因であったりするという理由にもよるが,学問的に何かが解明されても問題の解決や有効な方策の実現がただちに学校教育に導入できるわけではないという現実問題もある。近年人口に膾炙しているトピックで言えば,世帯所得と子どもの学力に相関関係があると分かることと,世帯所得の如何を問わず子どもの最大限の学力形成を実現することとの間にはいくつもの範疇にわたって多くの段階があって,それらをひとまとめにして一足飛びに解決することはできないのである。そのような制限があるとは言え,たとえ教育学的な要因によるものでなくとも子どもの能力形成に影響を及ぼすであろう諸要素を究明し,排除することが望ましい要素を特定し,あるいは積極的に提供したり強化したりすることが望ましい要素を特定することが,価値ある教育の構築にとって有効であることは言を俟たない。世帯所得と子どもの学力との相関関係において,たとえば子どもが獲得しうる経験の多様性や個々の経験の性質などが学力に影響を与えているのではないかと考えられているが,逆に言えば,学校教育が子どもに欠落している経験を補うことで子どもの所期の環境因子による学力差を解消する方向のアプローチができるということになる。そのアプローチは可能性があるからおこなった方が良いという性格のものではなく,公教育が担うべき責務の範疇に入るのではないだろうか。さて,本稿は能力形成諸ファクターの構造と作用なる研究アプローチの第I報としている。より広範な文脈において能力形成諸ファクターの中に子どもの経験が位置づけられることは間違いないが,学校教育において子どもに提供できる「経験」とは何であろうか。それは具体的には,教科書に記載されているような情報であったり,子どもが直接足を運んで得ることができる感覚であったりするわけだが,それらはすべて学習に関わる「経験」なのである。昭和時代の子どもにとっては当然であった経験は,現代社会において成長する子どもにとっての当然でなくなりつつあり,教育活動において何らかの対応が必要となっている。その代わり,子どもたちの環境を無限の情報が取り巻いている。無限の情報に子どもたちが接触できる環境は20世紀末から作られはじめ,とくにここ数年は加速度的に進化している状態にある。子どもたちが事物や事象に直接的に対峙した経験から必要なものを獲得できにくくなっている現在に求められるのは,情報環境の有効利用の観点から「経験対象としてのデジタルコンテンツの教材価値」を検討することではあるまいか。(著者抄録)
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