抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿は,丘陵の麓に立地する農業用水路沿いの景観について,埼玉県東松山市の神戸用水を事例として報告した。先ず,神戸用水は,起点と終点の間の直線距離1.8kmに対し,蛇行する水路の延長は約1.5倍あること,この間の高低差は6m弱で,水路の平均勾配は約0.2%とほぼ水平に近いこと等を報告した。次に,本報では,具体的な根拠にもとづく景観の把握と,隙間のないシークエンス景観の捕捉を方針として調査を行い,景観体験のルートとしての可能性を検証すること等を報告した。次に,結果として,水路沿いの通路,設定された視点の数と間隔,水路両側の景観要素を報告した。最後に,まとめとして,踏査の結果,全区間をとおして水路沿いを歩けること,ただし,起点から終点まで,最寄り駅から徒歩圏内にあるとは言い難いこと,水路沿いを歩く際に体験されるシークエンス景観については,地形図より予想される一義的な景観が続くのではないこと,また,右側に農地,左側に建物群と山林の見え続ける区間が全体の69%におよぶこと,本報では,水路沿いを歩行する際のシークエンス景観を,横断面での要素の組み合わせとしてとらえ,地形に即した導水の有様の見え方について,質的差異と分布状況を把握したこと等を報告した。