抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東京を中心とした都市直下型地震をはじめとする巨大地震の発生確率は30年以内に70%と想定されている。日本特有の木造密集市街地の地震火災対策が急務である。著者は,樹木の防火効果をモデル化した地震時の火災延焼シミュレーションシステムを開発している。避難場所の安全性を評価する指標としては輻射熱とし,人体に影響の出る輻射熱量である2,050kcal/m
2・hの範囲を表示可能なシステムを開発している。さらには,道路の拡幅や生垣,オープンスペースへの防火樹木の配置など都市計画的な防災計画を評価することのできるシステムも開発している。本稿では,先ず,愛媛県松山市を対象として避難場所とその候補地の安全性について,樹木の防火効果を組み込んで行った評価結果を示し,次に,神奈川県茅ヶ崎市浜竹一丁目を対象として,各種都市計画的対策を行った場合の現状も含めた4パターンについて,その都市耐火性の評価結果を示した。このシミュレーションによって,樹木による都市の耐火性能を定量的に評価することが可能となり,具体的な防火対策の効果を提示できることから,これを活用した多くの地域における樹木の適切な配置による火災対策町づくりに期待をよせた。