抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,海洋資源調査等を目的に,自律型無人潜水機や多数の海中センサを長期的に展開する,水中センサネットワークの構築が進められている。水中音響通信はネットワークの構築に不可欠な無線通信技術である。通信ハードウェアは,データと電気信号を変換するモデムと,圧電トランスデューサ(電気一音響変換器)からなる。このハードウェアを長期間水中に展開すると,トランスデューサはフジツボなどの付着物で覆われ,電気的特性(インピーダンス)が変化してしまう。従って,運用が長期化するほど,モデムの出力インピーダンスと,圧電トランスデューサのインピーダンスの整合を維持することは容易ではない。本稿では,著者らが確立した水中音響通信用圧電トランスデューサの能動的インピーダンス整合システムについて解説する。圧電トランスデューサのインピーダンス特性が運用環境の変動によって変化しても,常に理想に近い状態での運用を実現するために,可変インダクタを用いたチューナ回路によってインピーダンスを能動的に補正するインピーダンス整合システムを構築した。提案システムは,電圧と電流の位相差からインピーダンスの整合状態を監視し,インピーダンスが常に整合するように可変インダクタの値を制御することで,能動的にインピーダンス整合状態を保つことができる。実験から,構築システムによるインピーダンスの最適化により,圧電トランスデューサから出力される信号レベルの低下が抑制できることが明らかになった。