抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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太平洋島嶼地域における経済的特徴を示す要素にレントとサブシステンスがある。前者は外国からの援助や天然資源収入など自国の生産力の拡大と直接関係のない稼得性の低い収入であり,後者は人間と自然環境との調和ある暮らしや賃金と関係のない労働のような,従来排除や改革の対象とされてきた非市場的あるいは部分市場的活動のことである。とりわけサブシステンスは,相互扶助を基盤とする伝統的社会システムと共に,結果的に人々の暮らしの「豊かさ」を支えているとも言える。人々は食糧などに不足が生じれば自らの日常的関係性の中から他者に依存し,必要物を獲得する。いわば,「無くても何とかなる」社会である。そのような「豊かさ」を背景にした太平洋島嶼地域の開発や近代化のあり方を,現代世界においてどのように位置づければよいか。本稿では,イヴァン・イリイチなどによるサブシステンス概念を手がかりに,太平洋島嶼地域における開発の方向性について持続可能な開発概念との関連において考察する。(著者抄録)