抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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充填塔型生物脱臭装置を適切に維持・運転するためには,装置の充填層に適切な水分と栄養塩類が維持されている必要がある。本研究では,ガス状VOC(揮発性有機化合物)を処理対象とする生物脱臭装置で供給される栄養塩成分として窒素源に着目し,栄養塩溶液を多孔性PVF(Polyvinyl formal)担体充填層に浸漬供給する装置での塩化アンモニウムの物質移動過程を,モデル浸漬実験により推定した。また,実際の生物脱臭装置における最適な浸漬条件の検索,また浸漬方式と通常装置で適用される散布方式との間での装置性能の比較を目的に,VOCガスの処理実験を行った。その結果,浸漬方式での栄養塩供給は,散布方式と比較して疎水性ガスであるトルエンの除去に有効であった。また,栄養塩溶液から充填担体への物質移動については,含水率75%を境に,高含水率側では分子拡散が,低含水率側では水分移動に伴う移流が,それぞれ主要な物質移動推進力となっていた。ただし,低含水率の充填層に対する実際の栄養塩移動量は,水分移動量から推定される移動量よりも低くなる傾向にあった。浸漬頻度を上げると充填層に過剰な菌体増殖が生じる傾向にあり,その原因は窒素源よりも水分の過剰な存在にあると推察された。過剰な菌体増殖を抑制するためには,充填層の含水率が75%を下回る程度まで乾燥してから浸漬操作を実施すべきと考えられた。(著者抄録)