文献

J-GLOBAL ID：201702265260100910   整理番号：17A0932146

鉄と炭素繊維による環境水中のリンの不溶化

著者 (4件)： 唐沢郁子 (小島昭研) ,  設楽貴志 (群馬工高専) ,  藤重昌生 (群馬工高専) ,  小島昭 (小島昭研)
資料名： 用水と廃水  (Journal of Water and Waste)
巻： 59  号： 8  ページ： 559-565  発行年： 2017年08月01日 
JST資料番号： G0195A  ISSN： 0513-5907  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 炭素繊維は軽量で高い機械強度を有している。筆者の一人である小島は,炭素繊維への微生物固着現象の発見を契機に水質浄化技術を開発し,日本各地で実施されてきた。炭素繊維は,アオコの発生した湖沼水では,効果的な浄化はできなかった。アオコが炭素繊維に付着し,炭素繊維の持つ浄化作用を抑制するからである。アオコは,水中の窒素およびリン濃度が高くなることに起因するので,アオコの抑制は,リン濃度を下げることで可能になると考えた。水中のリン酸と鉄が反応して,不溶性のリン酸鉄を生成することで,リンが水に不溶性になる。この方法は,鉄以外に別のイオンや成分も加えなければならない。筆者らは,試薬やエネルギーを使用しないで,鉄材を溶解する方法を模索し,イオン化傾向の高い金属の代わりに炭素材を使用した。本研究では,鉄と炭素繊維を接触させることで水中の鉄の溶解効率を上げ,短期間でリンを除去できることを立証した。この方法は,淡水でも海水でも可能だった。

シソーラス用語： 炭素繊維 ,  湖沼水 ,  濃度 ,  *リン ,  付着 ,  微生物 ,  技術 ,  浄水 ,  *鉄 ,  *不溶化 ,  *公共水域 ,  *水 ,  リン酸塩 ,  鉄化合物 ,  イオン化 ,  炭素材 ,  リン酸鉄 ,  *環境水 ,  窒素濃度 ,  ミクロキスティス属 ,  植物 ,  隠花植物
準シソーラス用語： Microcystis ,  アオコ ,  リン濃度 ,  水質浄化技術 ,  微生物固着

分類 (2件)： 水質汚濁一般  (SB02010U) ,  下水,廃水の化学的処理  (SC03050W)

引用文献 (6件)：

• 小島 昭:水 再生・活性化への挑戦-炭素と鉄のチカラ-, 化学工業日報社, 東京(2014).
• 大谷杉郎,小島 昭:炭素-微生物と水環境をめぐって-, p.75~113, 153~176, 東海大学出版会, 平塚(2004).
• 小島 昭:炭素繊維を活用した環境水再生と魚介類の謂集技術, 炭素繊維-製造・応用技術の最前線-(前田豊監修), p.264~270, シーエムシー出版, 東京(2013).
• 小島 昭:炭素繊維を用いた水質浄化技術, 水浄化技術の最新動向(菅原正孝監修), p.186~197, シーエムシー出版, 東京(2011).
• 小島 昭:炭素繊維による水質浄化, 表面技術環境ハンドブック 2010年度版((一社表面技術協会表面技術環境部会編), p.210~213, 広信社, 東京(2010).

タイトルに関連する用語 (5件)： 鉄 ,  炭素繊維 ,  環境水 ,  リン ,  不溶化