抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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気候変動による水資源の偏在,人口増加・産業発展による水需要の拡大,人口集中による水質汚濁等によって,水資源不足が地球規模で問題となっている。そのため,下水や工業排水の農業・工業用水としての再利用が進められ,水再利用装置が果たす役割はますます重要となっている。水再利用装置としては,膜分離バイオリアクタ(Membrane BioReactor:MBR),オゾン処理装置,逆浸透膜等がある。MBRは膜装置で処理水と活性汚泥を分離する。膜の利用によって,浮遊物のない再利用に適した処理水が得られる一方で,膜面及び膜内の目詰まり対策が必要となる。膜面は目詰まりしないよう常時,送風機で曝気(ばっき)し膜面を洗浄する必要があり,その消費電力量が大きいことが課題である。消費電力量を低減するには,膜装置を削減して曝気する膜の表面積を小さくすることが考えられるが,この場合,膜装置当たりの流量を大きくする必要が生じるため,膜内の目詰まりが加速される。三菱電機は,従来膜内の洗浄に使用されているNaClO(次亜塩素酸ナトリウム)水より酸化力の大きいオゾン水を使用することによって目詰まりを解消し,さらに膜内の透水性(水の通りやすさ)を向上させた省エネルギー・省スペースの膜分離バイオリアクタ“EcoMBR”を開発中である。EcoMBRは従来のMBRと比較して消費電力量25%低減,膜装置の設置面積50%低減を見込む。さらに,膜装置の削減等によってメンテナンス性の向上も期待できる。EcoMBRの実用化によって豊かな水循環社会の実現に貢献する。(著者抄録)