抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
気象条件と全国の検定林の樹高データを用いたマクロレベルの解析を行い,気象条件によって樹高成長量は変動し,特に秋から冬にかけての最高気温や日射条件によって樹高の予測ができることを示した。また,気象条件が異なる2つの検定林における微環境条件と樹高データを用いたミクロレベルの解析においては,土壌水分の指標となる曲率や比高,あるいは夏季の相対日射量等によって林分内の樹高の変動が一定程度説明できることを示した。樹高成長は地域的な気象条件の違いと,微環境条件の両面に影響を受け,これらの条件を考慮することによって品種の遺伝的能力の評価が高度化される可能性が示唆された。人工気象室を用いて,温度及び日長に対する応答を個別に明らかにした。その結果,両要因がスギの成長に影響を与えることが明らかになった。しかし,その応答の程度はクローン間で大きく異なっており,遺伝子型による環境応答の違いが成長量に影響していると推定された(遺伝×環境の相互作用)。また,マイクロアレイ法による遺伝子発現解析から明らかになった日長及び温度応答遺伝子は今後の環境適応研究において重要な基盤情報になる。自然環境下に植栽されている3クローンの日長応答遺伝子の発現量を解析したところ,発現時期にクローン間差がみられ,クローンによる日長応答の違いを表していると推定された。この結果は人工気象室を用いて評価した日長応答のクローン間差と一致していたことから,日長応答遺伝子群の発現量の差が日長応答のクローン間差に関与していることが示唆された。(著者抄録)