抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
発電機やモータをはじめとする回転機の各部には,高速回転による遠心力が作用する。回転機が運転・停止を繰り返すように使用されると,締結部のボルト軸力が変化し,応力振幅が大きい場合はねじ部の疲労強度が問題となることがある。本研究では,遠心力を受けるボルト締結体の基本的な力学的特性を明らかにすることを目的として,二つの円筒から構成される簡単な形状の構造物をボルトで締結した対象として,三次元有限要素解析と材料力学の基礎理論を応用して,締結部形状,締め付け条件,運転条件を種々変化させて解析を実施した結果,次の結論を得た。1)遠心力が作用する場合の最大応力と最大応力振幅は,一般的な機械的外力を受ける場合と同様,最初にねじがかみ合うボルト第1ねじ谷底で発生する。2)ねじ谷底の応力振幅はミーゼス応力と同様の分布パターンを示し,回転数が上昇して,ボルト軸力を受けている界面の面圧が完全に消失する状態に近づくと急激に高くなる。3)界面が完全に離隔する回転数は,ボルト軸力のほぼ1/2乗に比例する。4)焼きばめされた組み合わせ円筒が回転する場合の解を用いて,ボルト軸力,ボルト本数,界面の位置が変化した場合について界面が離隔する回転数を求めたところ,有限要素解析から得られた「界面の離隔が顕著になる回転数」とほぼ一致したことから,材料力学の解は遠心力を受けるボルト締結体の基本設計に対して有効といえる。