抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
標題連載論文の[I](2017年5月号)では基準インピーダンスが複素数の場合,Sパラメータには電圧進行波を使って定義したものと,電力波を使って定義したものが存在することを説明した。本論文では,理論的側面から前述した二系統の1ポートのSパラメータ(反射係数)と,それを2ポート以上の場合に拡張した散乱行列(S行列)を考察した。基準インピーダンスが複素数の場合に散乱行列に言及している本では電力波に対するS行列(S
p)しか取り上げていないが,ベクトルネットワークアナライザで測定されるのは規格化進行波に対するS行列であることを説明した。また,電力波の位相には任意性があり,位相を測定で求めることはできないので,S
p行列は測定されたS行列をもとに計算で求めるしかないことを論じた。一方,S
p行列は増幅器設計で有用であり,多段増幅器の一増幅段の多段増幅器中の特性は変換器利得によって明らかになるが,一般化Sパラメータを使うと簡潔に書ける。さらに,信号源反射係数だけに依存する可用利得や負荷反射係数だけに依存する動作電力利得もS
pによって簡潔に表せ,式の意味がわかりやすく,プログラムを書いて最適化する場合も容易なことを説明した。