抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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科学的根拠に基づいた食品成分の生体に及ぼす影響が明らかにされ,「機能性食品」への扉が開かれた。次の段階として,個人の生活の質を高める「次世代機能性食品」の研究開発が急務であり,国による大型プロジェクトも展開されている。現在,国家の医療費増加による財政圧迫が懸念され,持続的就労が必要とされる状況の中,「健康寿命」が意識されるようになり,多くの機能性食品が開発され,その市場は拡大を続けている。筆者らは,認知症を含む神経変性疾患や生活習慣病に分類される複数の疾患に共通する蛋白質の異常凝集(アミロイド線維)に着目し,未利用海藻を材料として蛋白質の線維形成阻害に効果のある機能性食品を開発するための研究取組みを行っている。本稿では,この取り組みの概要について紹介した。本研究取組みでは,鳥取県沿岸に生育する海藻を数十種類採取し,水抽出液を調製し,インスリノーマの原因の一つと考えられるインスリンのアミロイド線維形成に及ぼす影響を検討した。その結果,いくつかの海草が線維形成阻害効果を示すこと,またそれらの海草には共通する特徴が見られることが明らかになり,未利用海藻の利用が期待できる。