抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
非破壊検査において,アレイ探触子を用いた超音波映像化法が普及しつつある。アレイ探触子を用いる一般的な映像化手法としてセクタスキャンやリニアスキャン等がある。近年では,Fullmatrix capture(FMC)とTotal focusing method(TFM)に代表されるようなポスト処理によるアレイ映像化手法も提案されている。これは,電子スキャン装置を用いた同時励振は行わず,基本的には1素子で送信し,受信は各素子で個別に行う。すべてのパターンを取り終わった後に個々の受信波の遅延時間を考慮して重ね合わせることによって,映像化対象の各画素に集束するビームを再構成する方法である。ディレイ操作が開口合成法の路程調整に対応すると考えれば,論理的にはTFMと開口合成法は同じ映像化結果となる。筆者らも,全波形サンプリング処理(Full waveforms sampling and processing,FSAP)方式を提案しており,基本的な概念はTFMと同じであるが,波形処理やアポダイゼーションを導入して欠陥分解能の向上を図っている。本稿では,コンクリートの非破壊検査のために,50kHzを中心周波数とするアレイ探触子を専用設計し,コンクリート内部の鉄筋や電線管等の映像化を行った例を示した。FSAP方式を用いれば,任意の位置に向けて低周波領域の波動を大振幅で発生できる。本技術によって,深さ800mmのコンクリート供試体中の上端筋から底部にある鉄筋や電線管まで,全領域にわたって再構成することができた。GPU計算によって,実用的な時間で超音波映像化が可能である。