文献

J-GLOBAL ID：201702284735054088   整理番号：17A0570959

台風や大雨の現状と気候変動に伴う変化

著者 (1件)： 坪木和久 (名古屋大 宇宙地球環境研)
資料名： 道路建設
号： 762  ページ： 18-23  発行年： 2017年05月01日 
JST資料番号： F0433A  ISSN： 0287-2595  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 解説  発行国： 日本 (JPN)  言語： 日本語 (JA)

抄録/ポイント： 世界的に見て,日本ほど自然災害が多様で,その頻度が高い国は少ない。日本のように気象災害の多い国では,気候変動に伴う気象災害の変化は大きな問題となる。地球温暖化は,気象災害の多い日本にとって,気象災害のリスクを増大させるという点で,大きな問題である。台風は,北太平洋西部および南シナ海に発生する最大地上風速17m/s以上の熱帯性低気圧である。これまでの研究から,地球温暖化に伴い西太平洋の台風の数は減少するが,強い台風は増えるということが示されている。台風の強度の増大の要因の一つは,海面水温の上昇である。台風の強度については,2つの大きな問題がある。その一つは,最強クラスの台風の強度推定が,極めて不正確であることだ。台風の強度は,衛星から観測される台風の雲のパターンによって推定されているが,スーパー台風のような最強クラスの台風の強度の誤差が大きい。二つ目は,台風の進路予測については改善が見られるのに対して,強度予測についてはほとんど改善が見られていない。これらの予測値の改善のためには,航空機による台風の直接観測が不可欠である。

シソーラス用語： 自然災害 ,  *気象災害 ,  *気候変動 ,  地球温暖化 ,  *台風 ,  海面水温 ,  大規模 ,  予測 ,  方向 ,  移動 ,  強度 ,  *豪雨
準シソーラス用語： スーパー台風 ,  強度予測 ,  進路予測

分類 (2件)： 自然災害  (RA02030M) ,  大規模擾乱,台風,大気重力波  (DC05070R)

引用文献 (8件)：

• IPCC, ′′Climate Change 2013: The Physical Science Basis. Contribution of Working Group I to the Fifth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change′′, Stocker, T. F., D. Qin, G.-K. Plattner, M. Tignor, S. K. Allen, J. Boschung, A. Nauels, Y. Xia, V. Bex and P. M. Midgley (eds.). Cambridge University Press, Cambridge, United Kingdom and New York, NY, USA, 1535 pp, doi:10.1017/CBO9781107415324, (2013)
• IPCC, ′′Climate Change 2007: The Physical Science Basis. Contribution of Working Group I to the Fourth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change′′, The IPCC Fourth Assessment Report, S. Solomon, and Coauthors, Eds., Cambridge University Press, (2007)
• 気象庁ホームページ http://www.jma.go.jp/jma/kishou/info/heavyraintrend.html (2017.4 閲覧)
• Kossin, J. P., Emanuel, K. A. & Vecchi, G. A. The poleward migration of the location of tropical cyclone maximum intensity. Nature 509,349-352 (2014).
• 坪木和久、「今世紀後半、伊勢湾台風をはるかにしのぐスーパー台風が発生する」、文藝春秋社、日本の論点2010、458-461(2010)

タイトルに関連する用語 (4件)： 台風 ,  大雨 ,  現状 ,  気候変動