抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,製紙スラッジ焼却灰(PS灰)と湿潤状態のミクロフィブリル化セルロース(MFC)を混練・プレス成型した成型体を作製し,MFCによる成型体の補強効果を確認した。PS灰+MFC成型体は,PS灰重量に対してMFCを1~40%添加すると,成型体の曲げ強度はPS灰単独の場合と比較して1.5~5倍上昇し,MFCの補強効果は高いことがわかった。PS灰+MFC成型体では,MFC5%の添加によりケイ酸カルシウムボードのJIS規格値に相当する曲げ強度(10MPa)が得られた。MFCによる補強効果は,PS灰粒子表面へのコーティング効果と粒子間での強い接着効果により発現した。本法では,固形分(PS灰+MFC(絶乾量))に対して加水量は一定として,添加するMFCの持つ水の量(保水量)によって加水量(自由水量)を調整した。PS灰は,水分の供給源であるMFC保水量と自由水量によって,PS灰の水和反応速度やMFCへの分散状態が異なり,自由水量によってはPS灰+MFC成型体の強度発現が小さくなった。PS灰+MFC成型体では,寸法安定性についても良好な結果が得られている。この技術はまだ開発の初期段階であり,今後,建材等として活用していくにはさらなる性能評価が必要となるが,MFCがPS灰成型体の補強材として効果が高いこと,また,PS灰とMFCの配合により,成型体の密度と強度の特徴が異なる成型体の作製が可能であることが明らかとなった。(著者抄録)