抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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石川県瀬戸野地域に分布する手取層群石徹白亜層群桑島層(下部白亜系)の層序と堆積相,産出化石相を検討した。観察される層序は層厚約140mで,汽水生二枚貝Myrene tetoriensisを主体にカキ類を伴う砂質シルト岩層,前浜環境が示唆される平行葉理砂岩層,外浜環境を示すハンモック状斜交層理砂岩層,陸棚環境を示すシルト岩層などからなり,少なくとも2回の海進と1回の海退が記録されていると解釈される。微化石(涙滴型および塔状放散虫・一軸型海綿骨針・間隙性貝形虫)は,主に陸棚環境を示すシルト岩層中に挟在される茶黒色シルト岩層から得られた。従来,生痕化石と堆積相に基づいて,本地域の桑島層下部における海成層の存在が示唆されていたが,放散虫化石の発見は初の海成層の確実な証拠となる。また,この海成層は手取層群で認められる三番目の海進期(Hauterivian~Barremian)に対応し,海進は現在の白山区に相当する範囲全域に及んだと考えられる。(著者抄録)