抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,ブロイラー生産においてよく用いられる23時間明期1時間暗期の明暗条件下における夜間約半日の青色照明の点灯が,ブロイラーの移動回数,時計遺伝子発現,及び視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)軸の日内変動に及ぼす影響について調べた。1日齢のブロイラー雄ヒナ(Ross308)を,0時から23時までは白色照明を点灯し,23時から0時の間は消灯する23時間明期1時間暗期の照明条件(以下,23時間照明区),或いは0時から6時までは青色照明を,6時から18時までは白色照明を,18時から23時までは再び青色照明をそれぞれ点灯し,23時から0時までは消灯する照明条件(以下,青色照明導入区)の何れかで飼育し,13日齢から14日齢にかけて,行動,時計遺伝子の発現,及びHPA軸関連因子の解析を行った。23時間照明区では,明期の後半に,移動回数の有意な増加が見られたが,青色照明導入区においては24時間を通して有意な変化は見られなかった。時計遺伝子のうち,Bmal1及びCry1のmRNA量は,青色照明点灯期間中有意に減少したが,23時間照明区においては同様の変化は見られなかった。一方,Per3のmRNA量は,両試験区共に21時から3時にかけて有意に増加した後,減少するという同様の変化を示した。間脳の副腎皮質刺激ホルモン放出因子のmRNA量は,両試験区共に18時以降に増加する傾向を示した。血中コルチコステロン濃度は,23時間照明区においては21時から3時にかけて有意な低下を示したが,青色照明導入区においては有意な変化は見られなかった。これらの結果から,照明色の変化によって,ニワトリの行動,時計遺伝子発現の概日リズム,及び血中コルチコステロン濃度を制御できる可能性が示された。(著者抄録)