抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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総揮発性有機化合物(TVOC)測定に適した溶媒抽出用の吸着材の細孔構造を把握するために,24種類の吸着材を用いて吸脱着試験を行った。得られた知見は以下の通りである。(1)ミクロ孔面積1000m
2/g以上の吸着材は,沸点100°C以下のVOCに対して十分な吸着力を持つ。(2)細孔径2nm以上の吸着材は極性を有するVOCの脱着率が良好である。(3)メソ孔含有率が30~70%の吸着材では,活性炭と親和性の大きいスチレンやトリメチルベンゼンなどのVOCの脱着率が良好となる。抽出条件の最適化試験では,上記試験において最もTVOC測定に適した吸着材を用いて超音波抽出時の温度および抽出溶媒の検討を行った。得られた知見は以下の通りである。(1)最も抽出効率の高い超音波抽出時の水温は10~30°Cであった。(2)5%アセトンを合む二流化炭素を抽出容媒とすることで,検討を行った全てのVOCにおいて高い吸脱効率が得られた。以上より,38種の揮発性有機化合物測定に適した溶媒抽出用の吸着材の特徴および最適な抽出方法を確立した。加熱脱着用の吸着材と比べて安価で吸着力が強く,吸着容量が大きい活性炭を用いる本法は,加熱脱着装置を所有していない研究所や検査機関において案内空気の汚染状況を把握する為のTVOC測定に役立つと考えている。そしてその方法が,近年またはこれから起こるであろう室内空気の汚染状況の評価方法の一つとなることを期待している。(著者抄録)