抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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焼成技術を活用し,汚染土壌を熱的に減容化し,クリアランスレベル(100Bq/kg未満)のセメントとして再利用することを検討した。実験には,実際の除染のために除去された汚染土壌(除去土壌)を用い,放射性セシウム(r-Cs)の揮発特性を調べた。ポルトランドセメントに相当する化学組成となるように除去土壌の化学成分を調整し,r-Csを除去することを目的に塩化カルシウムを添加し,焼成した。焼成温度を1300°C以上に高めると,r-Cs濃度はクリアランスレベルを下回り,検出限界以下となり,99%以上の除去に成功した。ポルトランドセメント成分の生成の指標である残存遊離石灰量は1450°C以上で1%以下となった。焼成物の相組成は,X線回折/リートベルト解析により,通常のセメントクリンカ鉱物であることを確認した。さらに,塩素源未添加でも焼成物中のr-Cs濃度はクリアランスレベル以下まで揮発でき,副産するr-Csが濃縮した飛灰の量を低減できる可能性があることがわかった。これらの知見に基づき,実証実験機を用い模擬汚染物を原料とし,100kgオーダーのポルトランドセメントクリンカを製造した。その結果,実汚染物におけるr-Cs除去率と同等の結果が得られた。焼成物に二水石膏を加え粉砕して得られたポルトランドセメントの性能を評価したところ,関連JISのすべての性能を満たした。(著者抄録)