抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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「港湾の施設の技術上の基準・同解説(平成19年)」では,修正フェレニウス法を用いた港湾構造物の円弧すべり照査について,レベル1信頼性設計法(部分係数法)が導入された。これは材料係数アプローチを用いた部分係数法によるものであり,地盤のせん断強度や単位体積重量など個別の設計因子の特性値に対して部分係数を乗じ,性能照査を行う設計法である。現在,各設計因子の特性値をそのまま性能照査式に代入して求めた荷重項および抵抗項に対して部分係数を乗じる,荷重抵抗係数アプローチを用いた設計法に関する検討が進められており,円弧すべり照査においても,その検討の必要性が既往研究により示されている。本研究の目的は,修正フェレニウス法を用いたレベル1信頼性設計法の円弧すべり照査に対して,荷重抵抗係数アプローチによる新たな部分係数を用いた設計法を提案することである。具体的には,円弧すべりに関する設計法の変遷と運用実績をレビューし,現存する港湾構造物の円弧すべりの安全性と同程度の安全性を目標安全性水準として設定した。また,円弧すべりが設計断面決定において支配的である全国の設計事例を収集し,本研究の検討断面とした。そして,検討断面の有する安全性を数値的に評価するために参考とする目標安全性水準を求め,それに対応する破壊確率P
fを,モンテカルロ・シミュレーション(MCS)を用いて計算し,目標破壊確率P
fTを設定した。次に,MCSを用いた信頼性解析を行い,目標破壊確率を満たす部分係数(荷重係数γ
S,抵抗係数γ
R,モデル化誤差に関する部分係数γ
ΔM)を求めた。最後に,提案設計法を適用できる基礎地盤構成の条件とともに,部分係数の使い分けについて取りまとめた。(著者抄録)