抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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グラファイトを含んだ粒子サイズがサブミクロンからミクロンのかんらん石多結晶体及び単斜輝石多結晶体を,天然に産するかんらん石(Fo<sub>88-92</sub>Fa<sub>12-8</sub>:Mg<sub>1.76-1.84</sub>Fe<sub>0.16-0.24</sub>SiO<sub>4</sub>)の単結晶及び単斜輝石(Di<sub>99</sub>Hed<sub>1</sub>:Ca<sub>0.92</sub>Na<sub>0.07</sub>Mn<sub>0.01</sub>Mg<sub>0.93</sub>Fe<sub>0.01</sub>Al<sub>0.06</sub>Si<sub>2</sub>O<sub>6</sub>)の単結晶から焼結させた。これらの結晶の破砕粉体を,アルゴンガス流下で1130から1350°Cにおいて2時間焼結した。焼結温度を上昇させると,かんらん石の平均粒子サイズは0.2から1.4μmに,また単斜輝石では0.1から2.4μmに増加した。焼結試料の空隙率はかんらん石で2~5%,単斜輝石では3~4%でほぼ一定であった。エタノールとともに破砕した粉体から焼結した試料では,ラマン分光分析により微量のグラファイトが示された。焼結温度を上昇させると,かんらん石や単斜輝石のピークと比較して,グラファイトのラマンピークの強度は減少した。焼結試料の炭素含有量は数百ppmと推定された。焼結したかんらん石中のグラファイトの面内サイズは<15nmと推定された。この実験は,グラファイトを含むケイ酸塩マントル鉱物岩石を作製する新たな可能性を示しており,粒子サイズに敏感なレオロジーや地球のマントルの地震波速度に対するグラファイトの物理的特性の影響を理解するうえでこの方法が有益であるかもしれない。(翻訳著者抄録)